洪水のあとで

洪水のあとで―ノアたちのその後

洪水のあとで―ノアたちのその後



去年、ラボの発表会で『ノアの箱舟』をやった。そのときに、ラボバージョンのノアだけでなく、随分色んなノアを読んでいたようだったので、これもいいかな〜と思って借りてきた。


ノボルは、こういう「絵を見る絵本」を普段はあまり好まない。だから、どうかなーという気は多少あったけれど。
「洪水のあとでーノアたちのその後ー」とタイトルを読むと、「へえー、そんな話あったの!」とかなりの食いつき。おっ、これはいい感触。


そして1ページ目の「箱舟はアララト山の上にとりのこされた」という記述に「そうそう。」と頷く。
おお、『ノア』を思い出してるのね。
そして絵を見て「ここか」とひとりごちる。


箱舟を切り出したところでは「でも、まだ箱舟は残ってるんだよね?」と箱舟の行方を心配したり。ああ、ラボで体験したことが体の中に残っている。嬉しい。そうそう、彼らにとって「箱舟」がどれほど大切なものだったか!
そして箱舟をひっくり返して家にしたところでは「すごいこと考え付くなぁ」と感心を。


その後も一つ一つの記述を丁寧に味わって、平和に繁栄してゆく動物や人間の姿を満足そうに見ている。


最近の絵本にしては珍しく、後日にも、リピート依頼を。


何回も一緒に読んで「こっちの方がいいお話だね」と。
「『ノアの箱舟』より?」
「うん。僕はこっちの方が好きだな。」


最後のノア夫妻の絵を見ながら「もう、すっかり年取ってしまったね」と慈しむような声で。
それから「これ、ラボに持って行ってもいい?(みんなにも見せてあげたいから)」と言った。
ノボルがラボに対してこんな風に働きかけるのは初めてだ。


ラボで『ノアの箱舟』をやるって聞いたときは、難しすぎるんじゃないの?と懐疑的だったけれど。本当にやってよかった。
大きいお兄さんたちと一緒に合宿したり、合同練習を重ねる間に、色んなことを考えたのだよね。動物たちの気持ちとか、ノアと息子達は何歳くらいだと思う?とか、そりゃー様々なアプローチで。
そういうことが、ちゃんと生きてノボルの中に残っていると知った。


やはり良い物語は良いのだ。